「そちらの美しい女性は、お客様でしょうか?」
う、美しい・・・・!?
わたしのこと・・・?
「いや、ちがう。
俺の彼女だ。」
噛みはしなかったけど、彼女、という単語にやはり頬を染める御影さま。
「それはそれは・・・失礼いたしました。」
そう言って深々と頭をさげられる。
わたしは、あまりになれない光景すぎて
頭をぶんぶんふりながら、手を左右に動かすことしかできなかった。
「いくぞ、椎名。」
え、行くってどこに・・・!?
そう思っても手を引かれるため、抗えない。
それに、こんな上品なところで言葉を発して
場違い感をこれ以上だすのも嫌だった。
「あ、そうだ・・・山下。」
「はい。」
このおじさま、山下さんっていうのか。
「椎名は、今日からここへ住むから、よろしく頼むぞ。」
・・・・・はい?

