迷ったし、とてもはずかしかったけど
なんとか手をとり下車に成功した。
「行くぞ。」
わたしの手をひいたまま、まるでエスコートするかのごとく
ホテルの玄関へ進む御影さま。
あれ・・・?おかしい・・・・
制服がどこかの貴族の装いに見えてきたよ。
それくらい、御影さまの動作は洗練されていて様になっていた。
「あ、あの・・・御影さま?」
「御影でいい。」
い、いやいやいやいや・・・・
そんな日本一の大企業のお坊ちゃんを呼び捨てなんて、できませんよ!!!
「あの、このホテルはいったい・・・・?」
ウィーン・・・・
わたしの質問をかき消すかのように
ホテルの自動ドアが開いた。

