御曹司さまが放してくれない!!



御影さまの笑顔を見て、少し胸がいたんだ。


わたしが『見覚えある』と言っただけで、こんなにうれしそうにする。

ってことは、それくらいわたしにも覚えていてほしい場所で、思い出だったんだ。


でも、わたしは全然覚えていない。


どうしてだろう?


御影さまにとって、すごく大事な思い出で

その中にわたしがいたんなら、


それはわたしにとってもすごく大事な思い出になってるはずなのに。


どうしてわたしにはなにもないんだろう?



「あの・・・聞かせてもらいませんか?

ここで、なにがあったのか。

わたしたちは、どうやって出会ってたのか。」



御影さまちらっとこちらを見ると

一回うなずいてから話し始めた。