美希side



「美希!起きろ!」



寝てる私の夢の中に見える人影。


それはだんだんはっきりしてきて、誰かと思えば希龍の黒髪。


よく聞き取れないけれど"起きろ"そう言われている気がする。


何やら言葉を繰り返す黒髪に手を伸ばす。


そっと頬に触れる手。


さわ…れる…?



「えっ!?」



触れる!!夢じゃない!?


ベッドからガバッと飛び起きた私は思わず自分の頬をつねる。



「いひゃい」



つねったまま声を出したため間抜けな声になる。が、確かに痛みを感じた。



「何してんだよ」



さぞ楽しそうに笑い声響かせる黒髪。



「いや笑い事じゃないから!何でここに!?」



鍵はしっかり掛けたはず。


一体どうやって中に入ったのか。


これって不法侵入だよね…しかも鍵…もしかして壊したとか!?


なんて考えが広がっていく私に返ってきたのは100%ないと思っていた予想外の答え。