愛を知らないあなたに

迷子になる可能性もあるな・・・。


ふと不安になりながらも、あたしは歩き出した。




とりあえず今は散策を楽しまねば!



そう思っていた矢先――





「・・・・・・・・・え゛」




あたしはピタリと足を止めてしまった。




なぜなら、目の前で。


鬼様が横たわって、すやすや眠っていたからだ。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえず。

ここは回れ右だよね。




起こさないように。


そぉーっと。

そぉーっと。




泥棒のように歩きつつも、あたしの好奇心はうずうずしていた。




・・・・・・お、鬼様の寝顔・・・・・・・・・・・・見たい!


どうしよう、見たい。すっごい、見たいんだけど・・・。