愛を知らないあなたに

そっとそっと・・・まるで、大切なモノを触れるように。



不意に泣きたくなった。


琥珀様が優しくて。愛しくて。

それでも好きなのは、あたしだけで。

琥珀様はあたしのことを意識してはいない・・・。



その、現実が、涙がにじみそうなほど苦しい。




優しさが。愛しさが。

小さな鋭い棘となって、あたしの心に刺さる。





ドキドキと早鐘を打つ心臓。

火照る頬。

かすかに痛む胸。



――やっぱり・・・

やっぱり、気付かないでください。


あたしの頬の赤さなんかには、気付かないで。

あたしを、気にしないで。


あたしの・・・あたしだけ気にしてる顔を、見ないで。





きゅっと唇を噛み締めていると。





「・・・と、これでよいか?」



琥珀様が終わったらしく、しゃがんだ姿勢のまま、あたしを見上げた。

ふと琥珀様が問いかけるように首を傾げる。