愛を知らないあなたに

「はい。あたし、あの村から出たことなかったので。」


「あぁ、あの村では作れないし売ってないだろうからな。」


納得したように琥珀様が頷き、ふっとあたしを見た。



「・・・履けるか?」


「・・・正直、靴紐の装着の仕方がイマイチよく分かりません。」


なんとなぁく分かるような気もしないではないけど・・・。



あたしの言葉に琥珀様は一つ頷いた。


「そうか。では、凜、そこの台に座れ。」



琥珀様が指したのは、銀色の立ち台。

高い棚にあるものを取る時に使うんだと思う。



でも、なんで、あたしが今?


ま、琥珀様のことだし何か考えてるんだよね。たぶん。



心の中でそう片付け、あたしは大人しく立ち台に腰をかけた。


――と。



「こ、琥珀様!?」


思わず声をあげた。



だって、だって!

なんか琥珀様があたしの足に靴下(だったよね?)を履かせてるんだもん!!!




「どうした?」


なんでそんな平然としてるんですかぁ!!!