愛を知らないあなたに

タマの静かな声で、心にじんわり沁みてくる。




・・・・・・そう、だよ・・・。


じわり、また視界が歪む。



そうだよ、タマ。


あっさり逃げられないんだよ。

そんなの、できないよ。


踏ん切りなんて・・・つけられるわけない。





「・・・・・・タマ・・・」


「うん」


「あたし、好きだよ、琥珀様のこと。

踏ん切り、つかないくらい。


でも、どうしてこんなに、好きなんだろうねっ・・・」




分かんないけど、全然、分かんないけど。


すっごい、好きみたいなんだ。



変だよね。


あたしは生贄なのにさ。

琥珀様は鬼なのにさ。





薺さんとのイチャイチャシーンが脳裏に浮かんだとしても。


あたしはまだ、好きみたいなんだよ。