愛を知らないあなたに

脚は動かない。


けれどそのまま力が抜けて。




あたしの身体は重力に逆らえず、床にへたりこむ。






いつの間にか、無意識に頬を温かくてしょっぱい液体が伝っていて。


あたしの視界が、ぼやける。




それでも、視界の端に・・・移動した二人をとらえてしまった。




薺さんに馬乗りになる、琥珀様。


お互いの服を脱がせあう、美しい二人。







あぁ、痛い。

胸が、心が、痛いよ。



涙が、溢れて溢れて止まらない。






――なんだ琥珀様。


知ってたんじゃないですか。



感情も、愛も。

知ってたんじゃないですか。


教える必要なんて、なかったんじゃないですか。