愛を知らないあなたに

『でもね。

村の人達は・・・・・・そうは、思ってないの。

悲しいことにね。


でも、しょうがないことでもあるの。

誤解していたほうが、ずっと楽なことがあるから。』





どこか悲しそうに。

切なそうに。

苦しそうに。


浅葱さんは言い、言葉を続けた―――







『凜のお母さんはね、蘭(ラン)という名前よ。


でね、蘭のお祖母ちゃんのお祖母ちゃんは、雪女だったの。



だけど、その雪女はね、生まれつき雪女の力が薄かったらしくて・・・


人間の男の人との間の子供を産んだ。



それで、その雪女の血筋の者は、全員、人間との間の子供を産んだ。



だから、凜は雪女の血を持ってはいるけど、すごくすごーく薄いの。

ほとんど人間なの。



凜。

あなたは化け物ではないのよ。』



にっこりと。


浅葱さんが、完璧な笑みを見せてくれたのを覚えてる。