愛を知らないあなたに

『いない・・・の?』


『うん、いない。

凜のお母さんは、死んでしまって、もう、この世にはいない。』




『お空の向こう側にいるんだよ。』とか。

『お星様になっちゃったんだよ。』とか。


浅葱さんは言わなかった。





あっさりと。

本当に、何のためらいもなく。



あたしに、ありのままを伝えた。




それは、浅葱さんが冷たいからとかじゃなく・・・・・・


あたしに、一刻も早く、事実を伝えなければならなかったからだ。










『あのね、凜。

あなたのお母さんもお父さんも、死んでしまって、もうこの世にはいない。


でもね、凜は愛されて生まれてきた。

それは本当。


凜、あなたはちゃんと愛されて生まれてきたの。』




しつこいくらいに、浅葱さんはあたしにそう伝えた。


なぜかは知っている。