◆◆◆ ――――物心ついた時から。 いや、もしくはその前から。 あたしの隣には浅葱さんがいて。 でも、浅葱さんはあたしのお母さんではないと。 いつだって、浅葱さんは言っていた。 『凜。 わたしはね、あなたのお母さんではないの。』 『じゃあ、りんのおかーさんはどこにいるの?』 『もう、どこにもいないよ。』 浅葱さんは、いつも。 あっさりと事実を告げた。 たとえそれが、どんなに悲しいことでも。