「着物?あげるわ!あげるわよ!!!

だからさっさと消えてちょうだい!!!!!!」



女の言葉を皮切りに。


今度は様々な着物がばっさばっさ投げられる。





生贄は、投げられた着物を腕いっぱいに抱え込み、小さく微笑んだ。



「ありがとうございます。」




そうして。

1人さっさと引き返して行った。



俺とタマは、慌ててその後を追った。





後方で、村人達が生贄を罵っている声が聞こえてきた。






「泥棒猫の娘め!!!」

「村長の愚かな息子の子供、消えろ!!!」

「裏切り女に育てられた子供、帰ってくるな!!!」

「不埒な女の娘なぞ、食べられてしまえ!!!」

「役立たずはこの村にいらない!」

「厄介者に幸せになる権利はない!!!」




・・・どういう、ことだ?


困惑している俺の耳に、ある男の声が届いた。

やけに、ハッキリと。