教科書が入ったかばんを右肩にかけて大学のカフェを出る。 外に出れば少しだけヒヤッとした空気で、暖かな太陽が沈みかけていた。 どこかからか遅咲きの桜の花びらが散ってきている。 その時、スマホがピロリンッと鳴る。 開くと由依からのライン。 「避妊はしっかりね♪」 こういうのは既読無視に限る。 正直あたしは、こういうことを平気で言える由依が──てか世の中がよく分からない。