*朋実視点。*



 退院してから数日。


 明日から学校に行けるらしい。





「緊張するなー」





おばあちゃんと晩御飯を食べながらそんなことを言った。




「朋ちゃんならすぐ友達できるわよ」
「えー、そうかなー?」
「そうよ」




うふふと笑ったおばあちゃん。


その姿が少しだけお父さんに重なる。





「朋ちゃん」
「なーに?」
「朋ちゃんは、あの事故のトラックのドライバーのこと恨んでるかい?」





おばあちゃんからの唐突な質問に少し戸惑う。



けれど。





「あのね、最初はすごく恨んだよ。なんで私なのって。
でもね、優哉さんに会って、私は変わったんだ。
恨んだってね、後悔したってね、なんの意味もないの。
あのドライバーさんだって事故を起こしたくて起こしたわけじゃないと思うから。だからもういいの」





そう言うとおばあちゃんは少し驚いた顔をして、そのあとニッコリと笑った。





「そう。朋ちゃんならそういうと思ったわ」





それから私とおばあちゃんは少しだけ話をした。


私はその話にとても驚いたけれど、でも、私の思いは変わらなかった。