「ここにいますよ……」

















 優哉さんの手をぎゅって掴む。


 彼は私の手を握り返して、苦しそうな顔をした。


















「はるか……?遥っ…」















 切なそうに、苦しそうな声でそうつぶやく彼。





 はるか…?さん?




 胸がきゅっと苦しくなった。
















「私、はるかさんじゃないですよ。優哉さん」
「んっ…。あれ? 朋ちゃん?なんで俺……」















 目を覚ました優哉さんは、頭を掻いて私を見て微笑んだ。



 私も、一生懸命笑顔を作る。




 遥、て誰なんだろう。

 聞きたいけど、聞けない。
















「そっか、来てくれてたんだ。ごめんね俺寝ちゃってて」
「大丈夫ですよ?」















 優哉さんは少しだけ考えるしぐさをした後、

 私の頭をぽんぽんっと撫でた。






 どうしてそんな行動をとったかがわからなくて、

 私の頭にははてなまーくが浮かんだ。















「朋ちゃん、なんか悲しい顔してる……」