優哉さんの記憶が戻っても世界には何の影響もないわけで。




次の日は普通に学校もあるし、やっぱり私には友達なんかいなかった。




記憶が戻って1週間とちょっと。




遥さんと優哉さんの迷惑にならないように、あれ以来優哉さんの病室には一度もいっていなかった。



憐ちゃんから聞いた話だと、優哉さんは昨日退院したらしい。



そう。少し変わったことといえば





「朋美、帰ろう」






憐ちゃんが部活を引退して一緒に帰るようになったくらい。


それと、一緒にお弁当を食べる。


憐ちゃんはいつも私の教室にきてくれる。




憐ちゃんはカッコイイから、モテるみたいでそんな憐ちゃんと一緒に帰るのは少し気が引ける。






「毎日私のクラスに来なくてもいいんだよ」
「なんで?」
「憐ちゃんだってクラスの友達と帰りたいでしょ?」







憐ちゃんはそっぽ向いて別に、と言う。



憐ちゃんはわたしと違って普通に友達だっている。


たまにはあそびたいはず。