【完】切ないよ、仇野君




歩君とアーケード街を歩き、少し歩いた先の小道を左に入ると、古着屋とアンティーク雑貨のお店の間に、こじんまりとしたラーメン屋さんがあった。


「俺、良く隣の雑貨屋で買い物すっとよ。そん時いつも寄るったい。俺ん穴場スポット」


「へぇ、古着屋やなくて、雑貨屋つたい?」


「あれ、食い付くとこそこそこかいな。俺、古着ち苦手つよ。私服は黒やら青やらモード系ばい?ジャージ姿じゃ想像出来んやろうが」


ラーメン屋さんのテーブルの一角、ラーメンを待つ間に他愛もない話で盛り上がる私達。


歩君が海外のモデルみたいなシックな格好をしたらさぞかし似合うだろう。想像なんて容易い。


「そういや話変わるばってん、歩君てハーフと?ほら、名前は日本人ばってん、見た目外国人やん。ハーフでんキンパにはならんて聞いたけん、そん髪色不思議じゃ」


「あー、俺んじいちゃんな、帰化しちょっとたい。サッカー選手とかたまにおるど?やけん、日本の血は流れとらんばってん一応日本国籍」


あはは、と笑う歩君は、難しい事情をさらっと説明した。