【完】切ないよ、仇野君

色々モヤモヤと考えてしまうのは私の悪い癖で。


周りからいつも苛々されてしまう中、雅美はいつも『何も考えとらんうちと用心深いちーは相性抜群やろ!』って笑って見捨てないでくれている。


大事な親友なのに、今はその雅美に……嫉妬心すら持っている私は、ホントに、最低だ。


黒板の上の方を一生懸命雑巾で拭こうとしている雅美の方へ、優しい泰ちゃんが近付いていく。


「良かて、無理せんと、高かとこは俺がすっけんが」


誰にでも優しい泰ちゃん。自分にだけだなんて自惚れたことは思ってないけど。


でも、皆に好かれてる雅美のその底抜けの魅力に、泰ちゃんが特別惹かれて特別な優しさを向けても、不自然じゃないんだろうなって、認めたくないけど認めるしかない。


恋愛のことになると、いつもより更に弱気になってしまう私の心は黒で塗り潰されていくみたい。


雫ちゃんは私を『白』だって言ったけど、そんなことない。


きっとどこまでもくすんだ、何色にもなれないそんな奴なんだよ。