【完】切ないよ、仇野君




「良かやお前等……俺達は、去年あいつ等ば蹴落として勝った。やけど、正直今年もあいつ等がチームとしては格上じゃ」


決勝戦。私達水高と慧心の選手達がフロアに立ち、予選の最終決戦の炎が火の粉を上げ、夏を加速させている。


一軍は肩を組み、円陣を作り上げ、やぐらになり、炎の土台となる。


そのやぐらへ、珍しく真面目な行雲キャプテンの言葉が投げ入れられ、もっと炎は燃え盛り、体感温度を上げていく。


「俺達は挑戦者。去年よりいっちょん力の無かな。やけん、傲るな、調子づくな。一個一個の戦いば全力でこなすしか、勝つ方法は無かとよ」


さっきの戦いを受けて沈んでいた皆の気持ちは、流石と言うべきか、全て闘志へと変わっているよう。


「やるこたぁひとつ…………ぶっ潰す!」


「「「「イエッサァ!」」」」


行雲キャプテンの物騒な掛け声が皆の心に薪をぶちまけ、やぐらは弾け、炎になった個々がフロアに火を灯す。


行雲キャプテンの言う通りだ。やることはひとつ。立ちはだかる敵を、文字通り『ぶっ潰す』のみなんだ。