かける言葉も見つからないけれど、私の体は一人静かに泣いている歩君の元へ向かいたいと叫んでいるみたい。
そっと、壁から歩君の元へ足を踏み出したその時。
「…………行かんで。お願いやけん、行かんでくれんね」
そう、ゆったりとしたテンポの甘い声で囁かれ、がっちりとした腕に引き寄せられ、後ろからあすなろ抱きされて、私はまた歩君の死角に戻される。
「泰、ちゃん……?」
この声を、この腕を、この温もりを私は知っている。封をしてもひっきりなしに溢れて止まらない想いの矛先の、その主のものだから。
「泰ちゃん……何で私ば抱きしめたり、行かせてくれんかったりすっと?部員とマネジは、こんかこつせんよ?私は泰ちゃんの妹でんなかし」
それでも何とかその想いを押し込めるのに、後ろから抱き締める力は緩まないし、泰ちゃんは額を私の肩にうずめて黙ったまま。
こんなの勘違いする。また好きが溢れる。泰ちゃんが私を好きかもって、自惚れる。
泰ちゃんのそれは私とは違う。多分、泰ちゃんのは、妹を好きっていうのに近いものだと思うのに。
そっと、壁から歩君の元へ足を踏み出したその時。
「…………行かんで。お願いやけん、行かんでくれんね」
そう、ゆったりとしたテンポの甘い声で囁かれ、がっちりとした腕に引き寄せられ、後ろからあすなろ抱きされて、私はまた歩君の死角に戻される。
「泰、ちゃん……?」
この声を、この腕を、この温もりを私は知っている。封をしてもひっきりなしに溢れて止まらない想いの矛先の、その主のものだから。
「泰ちゃん……何で私ば抱きしめたり、行かせてくれんかったりすっと?部員とマネジは、こんかこつせんよ?私は泰ちゃんの妹でんなかし」
それでも何とかその想いを押し込めるのに、後ろから抱き締める力は緩まないし、泰ちゃんは額を私の肩にうずめて黙ったまま。
こんなの勘違いする。また好きが溢れる。泰ちゃんが私を好きかもって、自惚れる。
泰ちゃんのそれは私とは違う。多分、泰ちゃんのは、妹を好きっていうのに近いものだと思うのに。



