【完】切ないよ、仇野君

伸ばしてるわけでもなく、けれども伸びきった胸にかかった黒髪を指先で弄って、はぁ、とため息を漏らす。


泰ちゃんにも、あんなにキラキラしてる歩君にも、自分に対してのコンプレックスがあって。


もしかしたら、私の大好きな雅美や由貴先輩にだって、そういう部分があるのかもしれない。


何て言うか……安心、した。


人のコンプレックスに対してこんな風に思ってはいけないのだけれど、そう思ってしまったんだ。


私が変わらなきゃいけない部分は、こういう性根の腐った部分なんだと思う。


すぐに変えれたらそれは凄いことかもしれないけど、すぐには変えられない。


またため息をつこうとしたその時、ふと、私の頭の中でさっきの歩君との会話のある一言が浮かんだ。


……気晴らしでも良い、変わりたい。