「席につけー」 ガラッとドアを開けて入ってくる私たちの担任の先生。 それを合図に、パタパタとグループで固まっていた人が散って席に着く。 「また後でね?」 そう言って私たちも席に着く。 「……今日は席替えするぞー」 つまらない先生の話が終わったかと思えば…… 席替え!? 席替えは私にとって最大行事。 もしかしたら、桐生くんの近くに行けるかもしれないんだからっ。 桐生くんの隣っ! そう願っていつもくじを引くんだけど、桐生くんの隣には一度もなれなかった。