「あのさ、はっきり言って迷惑なんだよね。邪魔。さっさとどっか行ってくんない?」
「桐生くん……最低っ」
そして、目に大きな涙を溜めた女の子は走り去っていってしまった。
「あんな奴が好きなわけ?」
既に勉強に戻っている桐生くんを睨みながら言う沙耶ねぇ。
「うん、好き」
それでも、桐生くんが好き。
「後悔しても知らないわよ?」
ここまで沙耶ねぇが反対するのは、きっと桐生くんに告白してきた女の子がみんな傷ついているから。
告白しても、冷たく返される。
でも、沙耶ねぇは反対はするけど止めはしないんだ。
人の気持ちを否定はしない。



