「何」 「な、なんでもないっ」 ふと呟いたことが桐生くんにまで聞こえていた。 そのせいで、ピッタリと桐生くんと目が合う。 まさか聞こえるなんて……… 驚いた私は挙動不審になってしまう。 「……っ、あ、あの…」 私の目には、不機嫌な桐生くんの顔が大きく映る。 近すぎるよ、桐生くん! 耐えられなくて、逃げるかのように椅子の背もたれに寄りかかる。