「沢城さん、次行くよ」 「ま、待ってください!」 私と違って、桐生くんは手際が良い。 だから、少し遅れてしまうんだ。 「遅い」 そう言いながらも、教室のドアにもたれかかりながら、待ってくれている桐生くん。 桐生くんは冷たい。 でも、優しさも持っているんだ。 それだけで、待ってくれているってだけで嬉しいし笑顔になれる。