毎日のことだけど、桐生くんは顔を何一つ変えないで自分の席に着く。
そして、すぐに参考書とノートを開いて勉強を始めちゃうんだ。
桐生くんからは特別なオーラが出ていて、誰も話しかけようとはしない。
“冷酷王子”その名はみんな知っている。
もちろん、この由来も。
それでも桐生くんに告白しようと私たちのクラスにやってくる人はいるんだ。
「……桐生くん」
ほら、また今日も。
桐生くんに話しかける人なんてほとんどいなくて、こうやって告白をしに来る女の子しかいないから、みんなの注目を浴びる。
私も見ている1人だ。



