「ほら、これで見えるでしょ?」 「うん、ありがとう沙耶ねぇ!」 沙耶ねぇは人をかき分けて窓の前まで連れてきてくれた。 さすが沙耶ねぇだよ! 「かっこいいなぁ、桐生くん」 窓の外を見ると、桐生くんの姿が見える。 普通に校門をくぐって登校してきている桐生くんだけど、そんな姿もかっこよく見えてしまう。 「あーぁ、行っちゃった」 桐生くんが玄関に入ると、窓の方に集まっていた女の子たちはそれぞれ自分の机に戻って、桐生くんが来る前のように話し始める。