バイトなのは仕方がないこと。 沙耶ねぇは時間がギリギリだったようで、走って行ってしまった。 どうしよう…… 「来て、沢城さん」 「桐生くん?」 他に教室に残るクラスメイトには聞こえないくらい小さな声で桐生くんが私に囁いた。 でもその声はいつもの冷たい声。 「いいから」 そう言われて、桐生くんの後をついていく。 一体どこに行くの? 「桐生くん、一体どこに……」 「……」 そう問いかけても、返事は返ってこない。