それからホームルームも終わって授業が始まるっているわけだけど……
桐生くんへの好きが止まらない私には、せっかく桐生くんが近くにいるのに一言も話さないなんて無理な話。
「桐生くん」
授業中にも関わらず、小声で話しかけてしまう。
「おい、沢城!」
「え?は、はい」
無視する桐生くんの代わりに答えてくれたのは、私達の担任。
そうだった……
今は数学の時間。
目をつけられているのに、すっかり忘れてた。
「随分と余裕そうだな?」
「いえ……」
不敵な笑みを浮かべる先生に苦笑いしか返せない私。
余裕なんて全くない。
「しっかり勉強してるんだろうな」
ちゃんとやってないことなんて知っている筈なのに、試すかのように聞いてくる先生。
私はうんともすんとも言えない。



