「あ、来たよ?」
ちらっとドアの方を見る沙耶ねぇにつられて見ると、ちょうど桐生くんが教室に入ってくるところだった。
「…桐生くん」
昨日の今日。
今日もかっこいい桐生くん。
昨日のことを思い出して、体が熱く火照ってくる。
「おはようございます、桐生くん」
隣の席に座る桐生くんに声をかける。
「………」
でも返事はない。
え、なんで?
「なんで無視してるの?コイツ、恋羽の彼氏になったんだよね?」
冷酷とは言えども、王子と呼ばれるほどの人気者。
私が桐生くんの彼女だとバレれば、桐生くんのことが好きな子達に何をされるかわからない。
だからそれは秘密。
それもあって、こそっと耳打ちをしてくる沙耶ねぇ。



