「いいえ」



小さくて頼りなかったけど



そんなことも桐生くんは言った。




助けるために伸ばしてくれた手は小さかつたけど、私にとってはとっても大きく見えたよ。




「一回しか言わねーから、よく聞けよ?」



「あ、はい」



いきなり真剣な顔になる桐生くん。



そんな桐生くんにどきどきする私。



そんな私達をオレンジ色に輝く夕陽が照らす。



「ずっと探してた。ずっと好きだった。俺と、付き合ってくれますか?」



私の答えはもちろんイエス。



しっかり桐生くんに伝わるように、あの日みたいな笑顔で。



「……っ」



ちょっぴり顔を反らせた桐生くんの頬は、夕陽以上に真っ赤に染まっていた。