「ほら」 再度私の前に出される、桐生くんの大きな手。 「でも、ぐしゃぐしゃになっちゃって……」 「それでもいいから。貰うよ?」 「あっ!」 私が渡せないでいるのに、いとも簡単に私の手から奪い取ってしまう桐生くん。 「沢城さん、必死だったのはわかるけど握りしめ過ぎ」 ぐしゃぐしゃになったラッピング袋を見て大笑い。 だから渡せなかったのに…… そんな桐生くんに拗ねてしまう私。 でも桐生くんは笑いながら、中身を取り出す。 「クッキー?」 「はい……初めて作ったんです」