…場所が悪いのかな そう思って立つ位置を変えてみる。 桐生くんの机を挟んで正面。 でも、下を向いたままでこちらを全然見ようとしない。 「桐生くんっ、桐生くんったら!」 これでも気づかなかったら、清掃点検は一人でやろう。 そう心に決めてもう一度名前を呼んでみる。 誰もいない静かな放課後の図書室。 私の声だけが響きわたる。 「ん?……あぁ、沢城さんか」