「ありがとう」
さっきの言葉は飲み込んで、そう伝えた。
「恋羽のこと悪く言う人なんていたら、絶対に許さないんだから」
そんなことを言う沙耶ねぇは、やっぱり優しいなと感じさせる。
「まあ、恋羽の体調にすぐ気がつくなんて、アイツモさすが医者の息子って感じね」
「うん…」
………ん?
さすが医者の息子って、
「沙耶ねぇ知ってたの!?」
「知ってたも何も、本人は全然言ってなかったけど、みんな知ってるわよ?」
本当にみんな知っていたんだ………
それがわかって、ずっと好きだった人のことをちゃんと知ることができていなかったんだと、ちょっぴり悔しくなった。
「ま、まあ、そう言う事もあるわよ!それくらいでヘコまないの!」
「うん、そうだよね」
知らなかったくらいどうってことないよ。
それに、知ることもできたんだしね?



