「はぁ………」



桐生くんの大きなため息が聞こえる。



無理なものは無理なんです。



飲みたくないものは飲みたくない。



気になって桐生くんを見てみると、何故か私の薬を飲もうとしている桐生くん。



「え、なんで桐生くんが……… 」



それがミスだった。



「……ん」



だって、薬を飲まされてしまったんだから……



桐生くんの口移しで。



「………熱下がるまで学校来るなよ」



そう言いながら、私の部屋を出ていった桐生くん。



やっぱり、おかしいよ……桐生くん。



寂しくなった部屋に、触れた唇だけ熱が残っていた。