そんなことをしているうちに、私の家に着いてしまった。



今日は家に入らないよね。



この状態じゃ……



「…ありがとう、桐生くん」



「何お別れみたいなこと言ってんだよ。俺は沢城さんが薬飲むまで帰んねーからな」



え……



なんですか、それは。



帰って欲しいわけではないけど……



いくら積極的に行くとか言っても、親も仕事で、2人きりなんて耐えきれないよ。



ドキドキは変わらないんだから。



***



桐生くんは食べやすいようにとうどんを作ってくれた。



やっぱり桐生くんが作るものは美味しくて、ぺろりと食べれてしまう。



そこまでは良かったんだけど……



「………うっ」



目の前に置かれた、貰ったばかりの薬と水。



そして、鋭い目で見る桐生くん。



口に何度かは運ぼうとしたよ?



でも…………やっぱり



「無理っ!」



私は逃げるかのように布団の中へと潜り込む。