「は?」
……これは流石に突然過ぎたかな。
「私は桐りゅ「待て。ここは病院だつってんだろ」
あ、そうだ。
そのこと、すっかり忘れてた。
顔をあげて周りを見渡すと、こちらに向けられている視線ばかり。
……これは流石に恥ずかしすぎる。
***
逃げるかのように薬をもらって帰宅途中の私たち。
場所もちゃんと考えるべきだった。
「沢城さん、熱でおかしくなってるんじゃないの」
熱は確かにまだあるかもしれないけど……
たしかにまだちょっぴり体が重いから。
でも、この言葉は熱があるからじゃない。
少しでも桐生くんに見て欲しいって思ったから。
一緒にいるために隠すんじゃなくて、ちゃんと伝えたいから。
「熱のせいじゃないです。本当に、桐生くんが好きなんですっ」



