「………そうなんだ」
桐生くんのお父さんの……
そう……って、えっ?
「えぇーっ!?」
声と共に、さっきまでの具合の悪さがどこかへ飛んでいく。
「バカ!ここ病院だぞ。病人なんだから大人しくしとけバカ」
桐生くん、バカバカ言い過ぎだよ。
そんなことより、桐生くん……
今すごいこと言ったよね?
「ここが桐生くんのお父さんの病院?」
再度、確かめるかのように聞いてみる。
「あぁ」
その答えは肯定。
ってことは、だよ?
「桐生くんは医者の息子?」
「あぁ」
返事は同じ肯定だ。
わ、私……すごい人と一緒にいるの?
「う、嘘だーんっ!」
「あーもう。何回言えばいいんだよ。ここは病院だって言ってんだろ」
声を抑えながらも私に怒る桐生くん。
口を押さえられて息が苦しい。
「んーんん!(離して!)」
「また叫ぶつもりか?」
「んーんー」
全力で首を横に振る。
「ったく……常識もわかんねーのかよ」
「…すみませんでした」
私でもこれくらいのことはわかっていますよ。
元はといえば、桐生くんがとんでもないことを言うから悪いんだ。
こんなところで突然言い出すんだから。
なんて言って反抗しようとも思ったけど、桐生くんの威圧感に負けてしまった。



