ベッドに返されると身構えていたのに…
突然ガシっと肩を掴まれたかと思えば、そんなことを言い出して、一気に体の力が抜ける。
「あら、顔真っ赤よ?あの子のことが好きなのねっ」
え、あの……
桐生くんのことを思い出して赤くなっているのもあると思うけど、きっと熱のせいだよお母さん。
バレなかったのは好都合だったんだけど……
言ってよ、もう!とテンションの高いお母さんについていけない。
「き、桐生くんはた、ただのクラスメイトだからっ!」
「桐生くんって言うのね!名前もかっこいいわ!もう彼氏なの?ちょっとー今度紹介しなさいよ」
あの……
すごい誤解を招いてしまっているような……
そして話が膨らんでしまっているような。
そんなお母さんは、止めるにも私には止めることができなかった。
***
そんな出来事があった朝のせいで、桐生くんを変に意識してしまう。
「何」
「えっ?……な、何でもないです」
気づかれた……
目があってしまってから顔をそらしても意味がない。
「沢城さん、顔赤くない?」
そう言いながら私の顔を覗き込み、大きな手を私の方へ伸ばしてくる。
もし触れられてしまったら、まだ熱が下がっていないことがバレてしまう。
手を避ける私に勘づいてしまったのか……
「まさか……」
「だ、大丈夫ですっ。熱があるのに学校に来ているわけじゃ……あっ」



