「沢城さん、起きれる?」
今日の桐生くんは何だかおかしいよ。
「はい…」
返事はするけれど、まだ顔が赤い私は布団の中から出られない。
頭の方を少し捲られているから、もうバレているかもしれないけど。
「じゃあ、俺が送ってくから」
へっ?桐生くんが私を送る?
送るって、私の家までってことだよね?
「そ、そんなっ!桐生くんに送ってもらうなんて…」
第一、体調を崩して倒れたのだって私が悪いんだから。
「それに、かばんと制服も教室にあるし……」
「それなら沢城さんが寝ているうちに勝手にだけど持って来ておいた。
こんなに熱あったら授業なんて受けてられねーだろ」
確かに、体がだるくてこれからとてもじゃないけど授業なんて受けられない。
そんなことまで桐生くんは考えてたんだ。
「今日の桐生くん……優しすぎます」
勝手に口から出た言葉。
声に出てからハッとする。
1番動揺したのは桐生くん本人だったみたいで……
「っ……前で待ってるから、着替えたら出てこい。歩けなさそうだったら呼べよ」
次にはもう、いつもの桐生くんに戻っていた。
それでもやっぱり桐生くんは優しいなと思う。
ドアを閉める音を聞いて、桐生くんが出て行ったことを確認してからゆっくり起き上がる。
「………はぁ」
やっぱり、だるい。
今日は本当に早く帰って寝たほうが良さそう。
着替えてって、制服にだよね。
私のかばんはソファの上にあって、制服はシワにならないように掛けてあった。
桐生くんは気が利くな。
重い体を起こして、制服に着替えた。



