でも、桐生くんは布団を捲ることはなかった。
どうしてわかったのか、私の頭に手を置いて優しく撫でるだけだった。
「えっ……」
覚悟していたから、間抜けな声が出てしまう。
「どうだ。辛くないか?」
「……へ?」
桐生くんにこの声が聞こえているかはわからない。
びっくりした。
いつも冷たい口調で話す桐生くんが、こんなに優しい声を出すなんて……
冷酷王子なんて呼ばれてる桐生くんが本当は優しい人だなんて、そんなことはわかってる。
でもこの声を聞くのは初めてで……
私の胸は、キュンと音を立てた。
「大丈夫、ですっ…」
「んー、さっきよりは下がったか?」
「……っ」
少しだけ布団を捲られて、少しだけ眩しくなる。
そこから現れたのは桐生くんの手で、その手は優しく私の額に触れる。
それだけで、私の体温は更に上がった気がするんだけど……
「でも、まだ熱いな」
私の体温を測っているようだった。



