熱が高いせいか、寝苦しそうな沢城さん。
氷水で冷やした額のタオルも、熱を吸収してすぐにぬるくなる。
その度にまた濡らしては冷し、濡らしては冷しの繰り返し。
「……んっ」
何度目かタオルを変えた時、小さく声を漏らし、うごいた沢城さん。
起こしちまったか?
起こさないようゆっくり慎重にやってたつもりだったんだけど。
「…沢城さん?」
名前を呼んでみるけれど返事はない。
「起きてはいねーか」
それがわかりホッとした、矢先。
「好き、桐生くんっ…」
……はっ?
コイツ…今なんて言った?
よく聞き慣れた言葉だ。
でも、不思議と嫌な感じもしなかった。
だから冷たく返す気も起きず…
「……そ」
眠り続ける沢城さんに、そう一言答えた。
受け入れるわけでもなく、断るわけでもない。
曖昧な答えだった。
〈奏汰side―end〉



