冷や汗なのか走っていたからなのか、汗が流れ落ちる。
声の先をよく見ると沢城さんが倒れていた。
気がついた時には沢城さんの方へと足を進めていた。
最近の俺は何かおかしい。
何を思ったのか沢城さんにキスをしたり、担任に頼まれたからとはいえ沢城さんの課題を手伝ってるし……
今だってそうだ。
いつもの俺には考えられない行動をしている。
「おい、桐生!」
俺より先に沢城さんの元へと来ていた体育教師が俺を呼ぶ。
「なんですか」
「お前保健委員だったよな?」
「そうですけど…」
「沢城、熱があるっぽいから保健室へ連れて行ってくれ」
やっぱりコイツ、具合悪かったのか。
これでさっきの足がふらついていた理由も朝からぼっとしていた理由も辻褄が合う。
「…はい」
この性格のせいか、俺は冷酷王子だかなんだかと呼ばれてるらしいけど
倒れているやつを放って置くほど、俺だって性格は悪くない。



