「…いっ」
頭に鈍い痛みが走る。
この距離で何かできるのは、隣の桐生くんしかいない。
当の桐生くんは、知らないというふうに前を向いていた。
「ちょっと、桐りゅ…「おい、沢城!」
「は、はい?」
な、なんで私が怒られてるの?
ん……?ちょっと待って。
なんで私の担任の先生がいるの?
さっきまで現代文の先生がいたのに。
黒板の方へと目を移すと、私の苦手な数字やら記号やらがずらずらと書かれている。
……もしかして、今って数学の授業だったりする?
「聞いているのか、沢城」
「…すみません」
確か1限目が現代文で、記憶が正しければ数学は3限目だ。
現代文の授業で課題を提出してからの記憶が全くない。
もしかして、ずっと寝てたの?私。
やってしまいました……