「…はぁ、はぁっ」
……疲れた
家から学校まではそれなりに距離もある。
これだけ走れば汗もびっしょり。
頑張ったかいもあって、先生はまだ教室に来ていなかった。
「ギリギリセーフ…」
「1分前」
「へっ?」
「どーせ、課題やんの忘れてて寝坊でもしたんじゃねーの」
…バレてます、お見通しです。
「桐生くん、何者ですか?」
「………」
無視………
桐生くんはそれっきり話してはくれなかった。
でも、桐生くんから話しかけてくれたなんて、それだけでも夢を見ているみたいだよ。
私が席に着くと、先生はすぐに教室へと入ってきた。
本当に遅刻ギリギリだったみたい。
「ふぁ……っ」
眠い……
課題のせいで、私の睡眠時間は2時間くらい。
効率が悪いからか、思った以上に時間がかかってしまった。
寝ずに学校に来ようかとも思ったけど、睡魔に負けて寝てしまったんだ。
そしてこの結果。
こうなるだろうってわかってたのにな。