・・・それにしても。

知佳は思う。

この数日でふたりの知り合いが死んでしまった。

殺されたのか、自殺なのか、テレビではいろんな憶測が飛び交っているが、どれが正しいのか定かではなかった。

・・・あの転校生が言ってた“呪い”。

亜矢音は信じてないみたいだけど、ずっと心に残っている。

現実的ではないけど、最近の出来事のほうがもっと非現実だから、それを知佳は完全否定できていなかった。


「ねぇ」
香典返しを袋に入れながら、知佳は英美に声をかけてみた。