本当は、味なんて分からなかった。

食事を詰め込むように口へ運んだ私は、トレーを理久に差し出した。

「…ごちそうさまでした」

「はいよー」

理久はニコッと笑った。

「…えっと…」

そして小さく呟いた理久は、私の腕に手錠をかけた。

「…あ、お風呂入る?」

トレーを持ち上げて部屋から出ていこうとしていた理久は、ふと振り返ってきた。

「…い、良いよ…別に…っ」

「…遠慮しなくても良いからね?」

「…うん。…でも今日は…気分じゃない…」