「手が使えないのに洗えるわけないよね。うっかりしてた。ごめん、ごめん」 「…え」 「…あ、そうか。そもそも脱げないんだ」 …天然? …鈍感? こんな状況に至っても、思わず私は突っ込みたくなった。 「…どうしよっかなぁ…」 理久が顎に手を当てて、小さく唸る。 しかし次の瞬間、私の手錠を外してくれた。 「はい。脱いで良いよ。俺、後ろ向いてるから」 そう言った理久はクルッと私に背を向けた。