その頃、ちょっとした好奇心で。

担任に呼ばれていた時、川上先生の机をちらっと見た。



―――あっ、ある!



シーサー。

私があげた、1対のシーサーが。

先生の視界に入る位置に、仲良さそうに座っている。


実を言うと、ちょっと心配だったんだ。

新学期、職員室でも先生の席の配置が変わる。

学年ごとに列になっているから。


だから、席替えの時に。

先生は机の上のものをどかすのだろう。

そしたら、あんな小さなシーサーは、どこかに紛れてしまってもおかしくない。

そして、先生に忘れ去られてしまっても、仕方がないと思っていたんだ。


それなのに、シーサーはちゃんとあった。

私が勝手に置いた位置よりも、先生の近くに。